1.東洋医学について

東洋医学とは

東洋医学とは、必ずしも鍼灸や漢方薬を使うのではなく、自然科学に基づいて、人体を宇宙の一部として捉え、環境からの影響にも対応できるような人体作りを考える治療法を行うものです。
東洋医学の医学体系は、中医学(中国医学)の集積として、現存する「黄帝内経」、「傷寒雑病論」、「神農本草経」の三つが基本になり、西暦紀元前後に成立されたというのが、一般的です。
さらに、その原理となるのが、周の時代に組み立てられた「周易」であるというのが有力な説で、「太極(無)から両義(陰陽)が派生し、陰陽は四象を生じ、四象は八卦を派生させ、八卦が万物を構成する」という骨子を基に組み立てられています。

 

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東洋医学Q&A

Q どんなことをするのですか?
A カルテに住所・氏名・年齢等を書いてもらいます。
  カルテを書いたら.ブースへご案内しますので、短パンかパジャマに着替えて頂きます。
  着替えが済みましたら、現在の病気や症状を聞かせてもらいます。
  問診や脈診、及び脊椎の歪みや虹彩分析をして病気の根本的な原因を探します。
  病因がわかりましたら、治療方針を決め、治療の方法を説明します。
  治療方法は、針灸(はり・おきゅう)、特殊療法(生物力学療法等)、骨格矯正療法等が
  主になりますが、治療中に、本人の意思で治療を中止したい場合は、お申し出ください。
  即刻、治療を中止します。
  治療が済みましたら、その人に合った家庭療法や食事療法を説明します。

Q 針は痛くないですか?怖くないですか?
A 病状や治療方法によりますが、当院は針を全く使わない治療方法も行っています。
  針を使う時は、一般的に用いる細い針と中国針があるのですが、最初に「針への耐性」
  (針の使える人かどうか)を調べてから行い、本人に合った治療方法を選んで行います。
  針を刺した状態で5〜10分程度、そのままにしておくのですが、患者さんが眠ってしまう
  場合も少なくありません。
  また、針には「ひびき」と呼ばれるものがあり、針を刺した後に加える刺激によって「ズー
  ン」と感じたり、温かく感じたりすることがありますが、これは患者さんの体質によって感
  じ方はさまざまです。これは、多くの場合不快なものではありませんし、違和感のある時
  は、こちらにも違和感が分かりますので、その時は、即座に違和感を取り除くようにして
  います。
  また、巨針療法は、皮膚と筋肉の間にある「脂肪層」に横刺(皮膚に対して並行に刺す)
  していきますので、ほとんどの人が痛みのないのに驚きますし、普通に使われている細
  い鍼の直刺(皮膚に対して垂直に刺す)よりも安全ですので、安心して治療を受けること
  ができます。しかし、 巨針が怖いと言う方には使いません。

Q 感染は大丈夫ですか?
A 患者にとって一番気になることは、安全な治療が受けられるかどうかだと思いますが、
  それは術者の私たちも一番神経を使うところです。
  理由は、私たちが病気に感染した場合、治療院も治療師も辞めなければならないから
  です。
  現在、多くの鍼灸院で使い捨て針(ディスポーザブル)を使っているように、当院でも
  細い針は使い捨てを使っており、一人の患者さんに使った針は、そのまま捨てます。
  また、シャーレ等の器具は全て高圧滅菌器(オートクレーブ)で消毒しています。
  しかし、中国針の巨針は高圧滅菌器(オートクレーブ)に入りませんので、最初にアルコ
  ールランプで「焼き消毒」をして、煮沸器で40分煮沸した後、さらにアルコールランプで焼
  き消毒をしてから使います。さらに、使用した針は、再びアルコールランプで焼き消毒を
  してから、針先を研ぎ、再び焼き消毒をしてから煮沸器に入れて煮沸消毒をします。
  当然ですが、他の患者さんに使った針を使うことはないので、感染の心配はありません。

Q 治療による副作用はないの?
A 一般的に鍼灸による副作用はないのですが、体がよくなるための反応として、症状が
  一時的に悪化したような症状の出る場合があります。
  これは好転反応とか瞑眩(めんげん)と言わせるもので、多くが治癒過程で出現する
  症状の一つです。
  ほとんどが、半日から一日程度で消失しますが、症状がひどく感じられたり、不安に思
  われたりする場合は、電話で症状の消し方や養生方法等をお知らせ致します。

Q 治療を受けた日はどうしたらよいのですか?
A 特に変わったことをする必要はありませんが、治療を受けた日は、身体がリラックスした
  り、代謝が良くなったりしていますので、その状態を維持する目的で、過激な運動や湯船
  での入浴(シャワーなら構いません)や、飲酒や大食はできるだけ控えるようにし、ゆっく
  り休養を取ることをお勧め致します。


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東洋医学の基礎的な知識 自然哲学の考え方から

銀河系⇒太陽系⇒地球、の模型図です。

 

分子の模型図です。

左の図は、銀河系から太陽系を抜き出し、太陽系から地球を抜き出したイラストです。

イラストを見ると分かるように、宇宙の構造は、中心になるものと外周をスパイラル運動する物質で構成されています。
そして、その基本的な構造は、我々の体を構成する分子も同じです。

その下のイラストは、分子構造の模型ですが、中心に陽子と中性子からなる「原子核」があり、その周囲をマイナスの電荷を帯びた「電子」が飛び回っていて、これが物質の基本構造です。

このように、物質の中心には、常に「陽性」という性質を持つものがあり、周囲には「陰性」と呼ばれる性質のものがあるわけです。

東洋医学は、そのような自然哲学を基礎にして組み立てられていますので、自然哲学を基本にして組み立てられた治療法や健康法は、基本的に東洋医学に分類されます。

地球断面図の模型図です。

そして、銀河系⇒太陽系⇒地球⇒動植物⇒細胞⇒分子と、我々を取り巻く環境は、すべて一定の法則に従って循環しています。

左のイラストは、地球をスライスしたもので、内核から,硬い⇒軟らかい⇒硬い⇒軟らかい⇒硬い⇒軟らかい(空気)と、硬軟を繰り返しているのに注目してください。

この陰と陽の繰り返しが、宇宙万物を形成している正体で、男:女、精子:卵子、交感神経:副交感神経、昼:夜、プラス:マイナス、天:地、暑い:寒い、上下左右、東西南北と、この世界に相対しないものは存在しないのです。

そして、宇宙の運行で、公転や自転を観ましても、植物の葉が交互に伸びる状況からしましても、血液が回転しながら流れるのを見ましても、物質が「あるエネルギーの力」で移動する時には、常にスパイラル運動(円運動)をしています。

これらのことから、人体も宇宙と同調しながら、牽引し、排斥し、発展し、消滅していることがわかり、森羅万象は、全て人体に影響を与えると考えることができます。

銀河系から地球及び分子までの連鎖的構造  

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太極図から八卦まで 太極図の概念と陰陽から八卦の展開まで

東洋医学の原点は「易」です。
易は全て、この太極図の概念から始まります。

東洋医学の基礎はもちろんのこと、解剖生理から
経穴まで、森羅万象は、全てこの八卦図に当て
はめて考えることができる。

左の上のイラストは、「無」から陰陽が派生する空想図で、その下のイラストは、「無」から八卦までの展開図を示したものです。

中医学の基礎理論は周易が主で、『中国医易学』四川科学技術出版社刊によりますと「中医学には、五運六気、天人相応(天人合一)、陰陽五行、臓腑経絡などの理論があり、これらはすべて易学からきたものです」と述べられています。

また、『周易与中医学』北京科学技術出版社・刊、によりますと、伏羲(ふつぎ)(ふりがなは【運命学総覧】史籍出版・刊、によるものです)と呼ばれる伝説的人物が考案し、八卦図(はっけず)を作り、「伏羲(ふつぎ)八卦(はっけ)図」として《易経》の主要内容となり、天地の現象を現したとされていますが、実は何人もの人が八卦を研究したため、現在まで定論はないとされています。

八卦図は基本的に「伏羲八卦図」と、「文王八卦図」というのがあるのですが、それらの八卦も六十四卦という、より複雑なまでに展開されています。

左図の卦の見方は、足し算で理解することができます。
例えば、 陰極Aが二つ合わされば「太陰C」になり、陽極B」が二つ合わされれば、「太陽F」になるわけで、同様に足し算をしていけば、陰極A+陽極B=少陽D。陽極B+陰極A=少陰E。陰極A+太陰C=坤G。陽極B+太陰C=艮H。というように、陰極側と陽極側をそれぞれ足していけば左図ができるわけです。

太極図の概念と八卦展開図  

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人体惑星試論 易の定理と七星鍼法への序章

これは、太陽系の模型図ですが、 太陽系を右の定理に当てはめて観察し、それぞれの惑星を地球からの距離で計算され たのが、下の周期表である。

この図を右の定理に沿って、エネルギーの流れを考えてみると、 以下のような図が完成する。

太陽と惑星のエネルギーは、お互いに陰陽で引き合い、お互いに排斥し合いながらバランスをとっている。
これが、陰陽論で言う「天人相応」(天人合一)思想であり、これを基本にして経絡を再検討をしたのが、持論の≪人体惑星試論≫で、執筆中の『七星鍼法』です。

七星鍼法では、太陽、水星、金星、地球(月)、火星、木星、土星、の七つの星を基本にして、診断や治療を行います。
その時に、ポイントとなるのが経絡の流れで、即効性のある臨床をする時に重宝するもので、今までの針灸歴史にはない持論になっています。

「陰」とか「陽」というのは、抽象的な表現ですので、一つの定義を設ける必要があります。

陰と陽の定義を、自然のエネルギー規律や法則に従わせますと、以下のようになります。

  1. 事物や現象を表すものは、全て陰陽の現れです。
    我々の五感で感じることのできるものは、全て陰陽で構成されています。
  2. 万物の中心は陽で、外側は陰である。
    物質の中心には求心性の力があるので物質は安定 します。それを「陽」とし、求心力の少ない物質は遠心力の働く不安定な物質を「陰」とします。
    地球の中心は非常に陽性なマグマで、周囲は空気と いう陰性で出来ていて、その構造形態が殆どの構造 形態に類似していることは、科学の意見とも一致しているところです。

  3. 陰は陽を生み、陽は陰を生む。
    男性は陽性なのですが、その子孫を作る精子は細長いという陰性の形状をしており、その上昇性や拡散力で卵子に突入していきますので陰性です。
    また、女性は陰性ですが、その子孫を作る卵子は丸 くて求心力が働く陽性の形状をしており、その求心性 と収縮性で精子を吸収して囲んでしまいますので陽性です。   
  4. 陰陽は互いに引き合い、同性は排斥する。
    磁石のプラスとマイナスが引き合うように、陰と陽はお互いに引き合いますが、プラスとプラスが反発するよ うに、同性同士は排斥し合います。
  5. 陰は拡張、遠心、上昇の性状を示し、陽は収縮、求心、下降の性状を示す。
    太陽系で考えると、地球は「陰」になりますが、地球だけを陰陽に分けると、天は 陰で地は陽になる。即ち、天は拡散の姿であり、地は収縮の姿である。故に天空は物質の成分も薄く寒く、地中の成分は濃く暖かいのです。
  6. 陰陽は交互に連鎖する。
    昼夜や春夏秋冬のように、陰の次にくるのは陽、陽の次にくるのは陰というように連鎖しているのが陰陽の性状で、山があれば谷があるように、いずれの自然 現象においても陰陽は交互に連鎖し、針灸における経絡の流れも、陰経の次には陽経が続きます。
  7. 陰陽は、いろいろな動的均衡を示し、一つとして安定するものはない。
    原子の構造を見ればわかりますが、原子核の周囲を電子が廻っているのが物質の正体です。
    そして、その運動の基本はスパイラル(螺旋)運動に なっており、植物のツルや貝殻や我々の頭のツムジに形を残しているのです。
  8. 陰と陽は一つとして「完全な陰」或いは「完全な陽」というのは無く、全ての物質や現象は必ず陰陽混ざり合っている。
  9. 陰が極まると陽になり、陽が極まると陰になる。
    山の頂に達すると引き返すしかないのですが、陰陽の変化に於いても陽性の成分が多くなりすぎると陰性に変わってしまいます。
  10. 「陰」と「陽」を分類するときには、必ず何かを対象 にする。
    例えば、「何と比べて陰」か、「何と比べて陽」という概念を持つことが陰陽分類法の基本的な規律ですので、「人間は火に対しては陰性でも、水に対しては陽である」という比較対象が必要です。
太極図の概念と八卦展開図  

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植物の陰陽分類

食物も体質も陰陽に分けて考える

植物の生育状況による陰陽分類

陰性と陽性の見分け方表
 
陰性
陽性

陰陽の性状

 

遠心力が働く
拡張作用がある
(広がる作用)
求心力が働く
収縮作用がある
(縮む作用)
食べ物は 軟らかいものや
温かいものを好む
菜食が多い
甘味、酸味、辛味、を好む
固いものや
冷たいものを好む
肉食が多い
塩味、苦味、渋味、を好む
体質・体型

痩せた顔
冬(寒帯、亜寒帯)に弱い
体温は低い(冷たい)
痩せて背が高い
細長い体型になりやすい
皮膚や耳の中が湿っぽい

ガッシリした顔
夏(熱帯、温帯)に弱い
体温は高い(熱い)
太って背が低い
丸い体型になりやすい
皮膚や耳の中が乾きやすい
性格的には 暗い(空間)のが好き
物静かで温厚
静かを好む
テンポが遅い
消極的
(飽きっぽい、諦めやすい)
緑、青、白、藍、紫の色が好み
明るい(時間)
荒っぽくて活動的
動くのを好む
スピードがある
積極的
(ねばり強い、頑固)
赤、橙、黄、茶、金の色が好み
精神的には 精神的に弱い
(泣く、悲しむ、寂しさ)
精神的に強い
(喜ぶ、怒る、華やか)

食物の分類は、栄養成分で分ける方法と、陰陽で分ける方法があります。
栄養成分で分類する方法は、一般的な栄養学として知られている「現代栄養学」で、陰陽で分ける方法は、自然哲学から派生した「マクロビィオティック」と言われるものです。

マクロビィオティックは、アメリカの栄養大学博士課程でも、教科に取り入れられており、今や世界的な食事療法として認められています。
マクロビィオティックの原点も「易」で、食物や体質を陰陽に分類し、それらを参考にして「陰陽判定」を行うのが「食養診断」で、左にある「陰性と陽性の見分け方表」を参考にします。

 

陰陽の見分け方
森羅万象は、相対性に働くエネルギーのバランスによって作られ、かつ保たれていて、それを「陰性」と「陽性」という言葉で表し、その性状を明らかにして、それぞれに分類して、それぞれの食物の性状を知れば、どのような食物がどのような心身を創るかがわかってきます。

左の表は「陰陽」を相対的に並べたもので、この表を参考にすれば、大まかな診断ができます。

診断の基本は、左の表で、自分が、陰性に入るのか陽性に入るのかをチェックします。
そして、 「陰性」の欄にチェックの多い人は「陰性的な体質」とし、「陽性」の欄にチェックの多い人は「陽性的な体質」と診ますが、陰性の食べ物を多く食べ続けますと陰性になり、陽性の食べ物を食べ続けますと陽性になってきます。

そのことから、「何を好んで食べるかで、その人の体質が決まってくる」と言うことができ、何を食べたかが心身に現れてきます。

これが食養診断の秘訣です。

 

食養原理から割り出した陰陽表  

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